1on1ミーティング【対話から才能を引き出す】

チームビルディング

大学時代、下級生達との1対1の面談を重要視しておりました。今風にいうと1on1ミーティングというやつです。実例をもとに記事を書いていこうと思います。

チームの強さは個の強さの掛け算なので個々の成長はチーム強化にはマストです。ただ、やみくもにみんながトレーニングしているだけではチーム力はあがりません。やみくもにトレーニングをしている状態は個の強さの「足し算」になってしまいます。別記事で書いてます、「チーム戦略」があったうえで個人の役割を認識してもらうが非常に重要です。

レギュラーにあと一歩という実力のアウトサイドCTBの後輩がいました。私からみた彼の強みは「フィジカル」でした。半面ハンドリングスキルに難があるとみていました。しかし彼はロングパスやオフロードパスなど華のあるプレーに憧れがあるようで練習中も軽いプレイを連発していてどう指導していこうかと考えていました。単に「軽いプレーをやめろ」と言っても本人には響いていなかったのです。
私はチームに求められるBKの役割、そしてCTBの役割を定義することにしました。ヨコ(パス)の動きで相手陣形を崩すのはSH,SO,インサイドCTB、タテ(コンタクト・ラン)で崩すのは両CTB、FBとしました。同時に面談で「アウトサイドセンターのレギュラーを狙ってほしい」「フィットネスレベルは高いのでフィジカルがついてくれば試合で使う」「パススキルは求めていない」と明言しました。

その日から彼の目つきが変わりました。アフター練習でパスやキックばかり練習していた彼が真剣にフィジカルトレーニングに励み始めました。みるみると体つきが変わっていきわずか半年でチームトップレベルのフィジカルとレギュラーの座を手に入れ、試合中本当に信頼できるプレイヤーへ成長しました。私が卒業するとき、『あの時の面談が自分をかえた、本当にありがとうございました』と大変うれしい言葉を頂きました。苦しい場面で何度も体をはってくれていたので感謝したいのはこちらでした。

ここから学びを得ることとして、弱みや課題を無理に解決する必要がないということです。パスミスが多いのでっもっとパス練をしろ、と言っていたらここまでの成長はなかったと思います。強みを発揮する局面を多くつくり、弱みが出るプレーを選択する必要がないように戦略・戦術をつくっていけば結果としてチーム全体で大きな掛け算がうまれることになります。もう1点、本人も回りから期待されている部分と自分の強みの認識が合致したとき、疑いのない努力ができるということも学びました。
チーム力を上げたいとき、まずは個々の強みを最大限発揮できる環境をつくることが重要です。

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