ラグビーの戦略をたてる上で重要なのは自分たちの強みを理解することです。
但しそこには盲点があるのです。大学ラグビー部時代、我々の代は先輩たちと比較してFWの2列3列に 機動力のある選手が非常に多かったです。県選抜や花園出場レベルの選手があれだけ揃った代は今もありません。そこが自分達の強みと疑うことはありませんでした。当然ながらチームの戦略はボールを大きく動かし機動力で勝負するというものになりました。
ここに大きな落とし穴があるのにお気づきでしょうか?強みとは「相対的な」ものなのです。我々が「強み」と思っていたことは「特徴」だったことに後に気づくのです。今までライバル大学に勝利するにはフィジカルの面が最大の課題となっていました。課題解決のためグランド練習を週1回減らし、今まで個人に任せていたウエイトトレーニングを週2回チーム練習として取り入れました。目標としていたライバル大学との最終戦、結果としては9点差で敗戦しました。(前年は50点差以上つけられていたのでかなり前進はしたが)SHとしてゲームをコントロールしていた私は、FWのパワーでの戦いで優位性をもって進められていることから、チーム戦略であるボールを大きく動かす戦い方をせずFWのドライビングモールを中心にゲームを組み立てていきました。3本のトライをとりましたが全てドライビングモールを起点に生まれたものでした。この時のゲームコントロールに後悔はありません。その時の最善手だったと思います。ただ、チーム戦略設計時に強みと特徴を間違えていなければ・・・
ビジネスにおける戦略とはどこにリソースを配分するかのパズルです。ラグビーにおけるリソースは「人」と「環境」と「練習時間」です。基本的に可変可能なリソースは練習時間のみです。最も多く時間を割いた展開ラグビーの練習時間と実際の試合中に展開ラグビーをした時間配分にアンマッチがありました。強みと思っていた機動力の部分よりもフィジカルが強みになっていました。チーム方針を策定していたあの時に戻れたら、という後悔は一生消えません。この後悔からこのブログを書いているといっても過言ではありません。若い方に同じ後悔をしてほしくないという想いが強くあります。
人生をかけた大一番から大切な教訓を得たので皆様にもシェアできればと思います。