ビジネス現場での戦略と戦術の違い【実例付解説】

ビジネススキル

「戦略のカスケードダウン」という概念は聞いたことがありますでしょうか。

戦略と戦術の違いは?という質問はよく耳にします。スッキリした回答を得られていますでしょうか。きっといまいち腹落ちしない方が多くいるのではないでしょうか。結論から申し上げますと、視点によって戦略と戦術は変わるからです。

具体的な事例で説明します。例えばチョコカテゴリーの売上目標を達成することが目標だとします。
競合他社と比較して自社の強みが新製品開発力だった場合、戦略は「新製品を軸とした新規顧客の獲得」ということになり、この場合戦術は
①健康志向のチョコの発売(サラリーマン)
②おいしさを極めた高級チョコの発売(OL)
③バラエティパックの発売(ファミリー)
などになってきます。これはチョコカテゴリーを管轄する事業部長の視点からみた場合です。
では、①健康志向のチョコの発売を任されたブランドマネージャーからみた場合どうなるでしょう。
健康志向のチョコの発売・売上目標達成が目標となり、戦略は普段チョコを食べないサラリーマンメインに売り込む、と設定されます。ブランドマネージャーの戦術は
①ビターなフレーバーの開発
②新聞を中心とした広告展開
③コンビニの取り扱い拡大などになると思います。
お気づきでしょうか。「①健康志向のチョコの発売」は事業部部長にとっては戦術(下位概念)ですがブランドマネージャーにとっては戦略(上位概念)そのものになるのです。
【上位概念】 新規顧客の獲得
         ・・・健康志向チョコでサラリーマン開拓
            ・・・ビターなフレーバー開発

結論で申し上げたとおり、立場によって戦略と戦術はかわってきます。戦略と戦術を語るうえでは、「カスケードダウン」の全体像を俯瞰して今どの視点で話をしている?から意識することが重要です。
これは目的と手段、という概念でも似たような現象がおきますので別記事で解説していきます。  

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